ひとひらの愛

独断と偏見とポエム

自治厨の胸の裡

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 その昔、「対象と結婚したいのがファン、対象の結婚相手を選びたいのがオタク」という名言を吐いた人がいて、深く首肯するとともに、以来誰かに対して「かっこいいすき……」と思うたび、その人と結婚したいか/その人の結婚相手を選びたいか、という二軸で自分の感情をマッピングするようになった。「かっこいいすき……」の中にはいつも「あの人みたいになりたい」という憧れ成分が含まれていて、その横に並ぶ自分を想像可能かどうかは対象によりけりだ。

 「いや畏れ多いむりむりむり」となることがほとんどだが、「じゃあ自分以外の誰が並んでもいいのか?」というと「いやこれはちょっと許せないライン」が存在するのが、だいたいのオタクの胸の裡じゃないかと思う。ちょっと許せないライン=「悪い虫」判定をこじらせると人は自治厨へと進化を遂げ、他の悪い虫判定と意見が相違すると戦争になる。いわゆる「解釈違い」である。

 

 アイドル、声優から若手俳優まで対象のジャンルを問わず、「自担が誰と撮られたら(≒横に並んでいたら、剰え付き合っていたら!)一番嫌か?」というテーマを投げかけられたら、だいたいのオタクは沈思する。「よくわからない地下アイドル」「共演している女子アナ」「タレント文化人」「同い年の一般女性」「自分よりかわいいオタク」「自分よりかわいくないオタク」。悪い虫の可能性は無限に近く幅広く、「結婚相手が誰と浮気したら嫌か」という問いの100倍議論は白熱する。「それだけは絶対ありえない!」しかし運が悪ければ実際に撮られ、闇堕ちした自治厨は黒薔薇のデュエリストに変身する。

 

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宗教としての増田貴久

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黒髪で、シルエットの細い服を着ていて、本の話ができて、虫とか秒で殺してくれる感じの男の人(ただしイケメンに限る)が大好きだ。NEWSを好きになったきっかけは加藤シゲアキさん(のご尊顔と小説)だったし、何ならいますぐ結婚してほしい。わかりやすくガチ恋の加藤担にも関わらず、Twitterなどでいつも「まっすーかっこいい」「増田貴久は神」「増田神への信仰心が日々深まる」みたいなことしかつぶやいてないので、95%の人に増田担だと思われている。この一年間で久しぶりのリア友に会っては「NEWSめっちゃハマってるね!」「そうなの、加藤さんってねもうすごい見た目も中身もわたしの好みのど真ん中なんだよね」「えっまっすーが好きなんじゃないの(困惑)」というやりとりを100回くらいした。それは誇張だけど10回は確実にした。

黒髪でシルエットの細い服を着ていて本の話ができて虫とか秒で殺してくれる感じの男の人が大好きなわたしが、なぜ赤髪で、ビッグシルエットの鬼で、本とか一冊くらいしか読まなくて、虫が苦手な増田貴久さんのことをこんなにも大好きなのか、毎日毎日まっすーのことを考えているのか、iPhoneのアルバムに加藤さんフォルダはないけど「神画像」フォルダはあって日々増田さんの画像が増えていくのか、考えるにつけもう「神だから」という答えしか出てこない。神とは証明できるものではない。神は同語反復的にしか語れない。けど、先だって入ったNEWS LIVE TOUR 2017 “NEVERLAND” 初日@真駒内アイスアリーナで目撃した増田さんの姿がまさしく神そのものだったので、奇跡に触れた民衆の一人として「これは後世に書き残さねばならぬ」と十二使徒ばりの使命感に駆られ筆をとりました。人はいかにして神と出会い、奇跡を「奇跡」として雷のようにその身に受け、信仰にめざめるのか、一人の求道者のドキュメントとして読んでほしい。

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